相続発生・死後事務対応のスケジュール⑤

相続発生・死後事務対応のスケジュール解説 第5弾です。
今回の内容をより深くご理解いただくために、ぜひ前回の内容も併せてご確認ください。
(3)相続発生後速やかに行う手続き
⑤運転免許証・パスポート・マイナンバーカードの返納
a.運転免許証
被相続人の運転免許証は相続人等に返納義務はなく、更新期限が過ぎれば自動的に失効します。盗難や紛失により悪用される心配がある場合は、警察署や運転免許センターに返納をします。返納するために必要な書類は、被相続人の運転免許証、亡くなったことを証する書類(死亡診断書の写しなど)、申請者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)です。
b.パスポート
被相続人のパスポートは返納しなかった場合に罰則はありませんが、相続人等に返納義務がありますのでパスポートセンターに返納をします。返納するために必要な書類は、被相続人のパスポート、亡くなったことを証する書類(死亡診断書の写しなど)、申請者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)です。
c.マイナンバーカード
マイナンバーカードや通知カードは死亡届の提出により自動的に失効するため、返納は不要です。
⑥未支給年金の請求
国民年金や厚生年金などの公的年金は2か月に1回、前の2か月分が支払われるため、被相続人が公的年金の受給者であった場合は未支給年金が発生します。なお、未支給年金は請求手続きをしなければ支給されないため、年金の受給停止手続きとあわせて請求しましょう。
請求先 | 最寄りの年金事務所または年金相談センター |
請求期限 | 被相続人の年金支払日の翌月初日から起算して5年以内 ※1 |
請求者の要件 | 被相続人と生計を同じくしていた者の中で最も優先順位の高い者であること (優先順位は高い方から、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹・それ以外の3親等内の親族となります。) |
提出書類 | 未支給年金・未支払給付金請求書 |
添付書類など 必要なもの | ・被相続人の年金証書 ・被相続人と請求者の続柄が確認できる戸籍謄本、法定相続情報一覧図の写しなど ・被相続人と請求者が生計を同じくしていたことがわかる書類 (被相続人の住民票の除票 ※2 及び、請求者の世帯全員の住民票の写し ※2 など) ・受取りを希望する金融機関の通帳(写しでも可) ・被相続人と請求者が別世帯の場合は「生計同一関係に関する申立書」 ・手続きをする者の本人確認書類 ・委任状(代理人が提出する場合) |
※1 年金の支払日が令和4年 8月15日の場合、令和4年 9月 1日から5年以内となります。
※2 被相続人の住民票の除票は、請求者の世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要です。また、請求書に請求者のマイナンバーを記載し、請求者のマイナンバーが確認できる書類と本人確認書類を提示した場合は、請求者の世帯全員の住民票の写しの添付を省略できます。
⑦遺族年金の請求
遺族基礎年金や遺族厚生年金なども⑥の未支給年金同様、請求手続きをしなければ支給を受けることはできません。また、受給資格は遺族基礎年金と遺族厚生年金で異なります。
遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 | |
請求先 | 請求者の住所地の市区町村役場(遺族基礎年金のみの場合) | 最寄りの年金事務所または年金相談センター |
請求期限 | 被相続人の死亡日の翌日から5年以内 | |
被相続人の要件 (いずれかに該当すること) | ・国民年金の被保険者である間に死亡した ※1 ・国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の者で、日本国内に住所を有していた者が死亡した ※1 ・老齢基礎年金の受給権者であった者が死亡した ※2 ・老齢基礎年金の受給資格を満たしていた者が死亡した ※2 | ・厚生年金の被保険者である間に死亡した ※1 ・厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡した ※1 ・1級、2級の障害厚生(共済)年金を受け取っている者が死亡した ・老齢厚生年金の受給権者であった者が死亡した ※2 ・老齢厚生年金の受給資格を満たしていた者が死亡した ※2 |
請求者の要件 | 被相続人に生計を維持されていた者 ※3 の中で最も優先順位の高い者であること(優先順位は高い方から、子のある配偶者・子 ※4 となります。 | 被相続人に生計を維持されていた者 ※3 の中で最も優先順位の高い者であること(優先順位は高い方から、妻、55歳以上の夫、子 ※4、 55歳以上の父母、孫※4、 55歳以上の祖父母となります。ただし、妻や55歳以上の夫が一定の条件により支給停止となっている場合は、例外的に子に支給されます。) |
提出書類 | 年金請求書 | |
添付書類など 必要なもの | ・被相続人及び請求者の基礎年金番号通知書または年金手帳等の写し ・被相続人及び請求者の年金証書・恩給証書(受給権があるものすべて) の写し ・被相続人と請求者の続柄が確認できる戸籍謄本(6か月以内に交付されたもの)、法定相続情報一覧図の写しなど ・死亡診断書または死体検案書の写し ・請求者名義の預金または貯金通帳の写し ・請求者の本人確認書類と番号確認書類(マイナンバーを記入する場合) ・委任状(代理人が提出する場合) (マイナンバーの記入により省略可能なもの) ・世帯全員の住民票の写し ・被相続人の住民票の除票(世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要) ・請求者の所得証明書または課税(非課税)証明書、源泉徴収票 ・子の学生証または在学証明書の写し(義務教育終了前は不要) 死因が第三者行為による場合など、追加で必要となる書類があります。 |
※1 被相続人の死亡日の前日において、保険料免除期間を含む保険料納付済期間が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。ただし、死亡日が令和8年3月末日までの場合、被相続人が65歳未満であれば、死亡日の前日時点で死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ支給を受けられます。
※2 保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年以上ある者に限ります。
※3 被相続人に生計を維持されていた者とは、以下のいずれかの収入要件を満たし、被相続人の死亡当時において被相続人と生計が同一であった者をいいます。
※4 請求者の要件にある子、孫とは、18歳になった年度の3月31日 までの間にある未婚の子・孫、または20歳未満で障害等級1級または2級の障害の状態にある未婚の子・孫をいいます。また、被相続人の死亡当時に胎児であった子も出生以降に対象となります。
【生計を維持されていた者の収入要件】
1.前年の収入(前年の収入が確定していない場合は、前々年の収入)が年額850万円未満であること
2.前年の総所得金額(前年の総所得金額が確定していない場合は、前々年の総所得金額)が
年額655.5万円未満であること
3.一時的な所得があるときは、これを除いた後、前記 1または 2に該当すること
4.前記の1、2または3に該当しないが、定年退職等の事情により近い将来(おおむね5年以内)に
収入が年額850万円未満または総所得金額が年額655.5万円未満となると認められること
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